NFTアートは毎日数十のプロジェクトがリリースされており、マーケティングの争いも熾烈な状況です。
確かにコレクションはたくさんリリースされているものの、そのほとんどが知られずに失敗に終わっています。
今回はNFTアートのマーケティング戦略を事例と共に紹介していきます。
目次
NFTアートマーケティング戦略ガイド【NFTとは】
今話題のNFTですが、市場規模はたった2年で300億円から2兆円に急拡大しました。
企業のビジネス利用も進んでおり、最近ではティファニーがNFTをリリースしています。
We are pleased to announce our acquisition of “Okapi” by @tsrocketractory, marking our
entry into the NFT space.#TiffanyAndCo pic.twitter.com/GzGgI6kjpn— Tiffany & Co. (@TiffanyAndCo) March 26, 2022
フィジカル商品を販売していたファッション業界など、デジタルでのアイコンへのブランド利用をNFTによって実現しています。
【関連記事】
NFT市場トップの売上は150億円
Company was founded just 13 months ago, currently has 13 full-time employees including founders, has a net profit of $130 million (92-93% margins), raised $500 million & now valued at $4.3 billion.
Yes I’m talking about @yugalabs founders of @BoredApeYC aka Monke jpegs. 👑 pic.twitter.com/2jov7Fi3rp
— Mikku ࿗ (@effucktivehumor) March 25, 2022
NFT業界トップを走るBAYCを運営するYuga Labsはわずか13ヶ月前に創業され、13人の従業員しかいない企業ですが2021年の売上は150億円を超えました。
そして評価額は5000億円を超えます。
たった1年と少しで時価総額は光通信と同じくらいですね。
まだまだNFTは黎明期であり、日本人の購入者は数千人程度と言われています。
今後も利用例は増え続け、新たな市場が確立されていくことが予想されます。
NFTマーケティングの前提
企業の参入や市場が急速に拡大していることはNFTプロジェクトが成功に近づく追い風ではあります。
しかし、良いコンテンツや思想、プロジェクトが目指すビジョンやロードマップなど購入者にとって魅力に思えるベネフィットがなければ無視されますよね。
マーケティングは商品が良ければ本来必要のないものです。
本当に良いものを届けるためにマーケティングが必要だ、と言う人もいますが本当に良いものなら一目みた人に影響を与え、興味を引くことができるでしょう。
まずはNFTのクオリティを上げ、発信し、良いものを愚直にアウトプットしていきましょう。
NFTアートマーケティング戦略【認知を獲得する】
そもそもビジネスをする上で認知を獲得しなければ意味がありません。
誰も知らないところでカフェを営み、どんなに良いコーヒーを出していても誰も知らなければ来るはずがないですよね。
まずは認知を獲得し、あなたのNFTアートを知ってもらう必要があります。
認知を獲得するためにすべきことは下記の3つ。
- NFT宣伝用のTwitterアカウントを作成
- Instagram、Tiktok、Youtubeも活用する
- Twitchで制作の様子を配信するのもアリ
- NFTアグリゲーターへの登録をする
NFT宣伝用のTwitterアカウントを作成
まず必須なのがTwitterです。
NFTに限らず、クリプト関連の情報はTwitterに集約されています。
というのも、プロジェクトがスキャムだったり高額のエアドロップ情報などリアルタイムで取得しなければならない情報が多すぎるからです。
Webサイトを作ったとしても、まずユーザーに見つかることはありません。
Twitterでアクションをおこし、NFTプロジェクトやクリエイティブについて発信していきましょう。
エアドロップで認知とフォロワーを獲得する
「#nftgiveaway」というハッシュタグでNFTの無料配布を探しているユーザーは非常に多く存在します。
エアドロップでローンチ前のNFTプロジェクトの一部を無料配布することにより、認知とフォロワーを獲得しましょう。
エアドロップの具体的なやり方は特に難しくなく、手動で当選した人に一人一人配布するのであればプログラミング知識も不要です。
エアドロップのやり方と成功事例はNFTのエアドロップとは【やり方から受け取り方まで解説】にて解説しているので合わせて読んでみてください。
Instagram、Tiktok、Youtubeも活用する
InstagramのReel、Tiktok、YoutubeのShort動画は全て同じフォーマットの動画を使いまわすことが可能です。
特にショート動画は各サービスが力を入れていることもあり数千回~数十万回再生を狙うことも難しくありません。
なるべく多くの認知を獲得するためにできることは全て実施しましょう。
Twitterよりも重要度は高くなく、動画を作成する分難易度が上がるので優先順位は低めです。
Twitchで制作の様子を配信するのもアリ
成功したNFTプロジェクトであるCool Catsが初期のコアファンを獲得するために実施していたのがゲーム配信プラットフォームであるTwitchの活用です。
TwitchにてCool Catsの制作風景を配信していました。
まず最初のファンを獲得するために実際に質問に回答したりライブ配信にてコミュニケーションを取ることは重要です。
NFTアグリゲーターへの登録をする
日本国内だけでなく、世界のユーザーたちが利用するNFTアグリゲーターに登録をして認知を広めましょう。
例えばRarity.tools では「submit your project for this list」のボタンからGoogle formへのリンクが用意されており、リストに登録して欲しい内容を入力できるようになっています。
無料で利用できるNFT宣伝用のページは多く存在するので、なるべく登録しておき認知を獲得しましょう。
https://rarity.tools/upcoming/
NFTアートマーケティング戦略【リスト獲得編】
NFTアートを販売する際に、「Mintできるようになったこと」「販売日が近いこと」を伝える手段としてSNSのみでは不十分です。
Twitterで販売が近づいてきたことを告知するだけでは、フィードに埋もれてしまいますよね。
TwitterやInstgram、Tiktokなどで集めたフォロワーをDiscordに招待することでこちら側からプッシュで販売情報を発信できるようになります。
実際に様々なNFTプロジェクトのDiscordに参加してどのような運用が必要か研究して見ましょう。
とはいっても、Twitterでブランディングできるのが良い
一般にDiscordが利用されていますが、BAYCやCryptoPunksなどトッププロジェクトではDiscordよりもTwitterでアイコンにしている人同士でのつながりが強くなります。
Discordは必要ですが、Twitterのみのアナウンスで濃いファンに確実に情報が伝わるようになる方が良いでしょう。
現状プロフィールアイコン用のNFT市場が最も大きいわけですが、Twitterとの相性は抜群ですよね。
Twitter上でコミュニティ形成できる状態を目指していくのが良いでしょう。
NFTアートマーケティング戦略事例3つ
NFTアートのマーケティング戦略のケーススタディーとしてわかりやすい事例を3つ紹介していきます。
とはいっても市況や技術など簡単に真似できるか、というとそうでもないので参考までにみつつとにかく実践するのが近道でしょう。
- RTFKTのコラボ戦略
- IreneDAOの無料Mint戦略
- Memeと影響力を使ったCryptoadz
順番に説明してきます。
RTFKTのコラボ戦略
RTFKTは村上隆氏とのコラボNFTコレクションであるClone Xによって大きな話題となりましたが、それ以前からずっとコラボ戦略を貫いてきています。
やってきたことは、下記の通り。
- デジタルスニーカーのデザイナーコラボ
- ファッションNFTのアーティストコラボ
- 村上隆氏とのコラボアバター
いきなり有名アーティストとコラボすることは難しくても、少しずつ積み重ねていけば実現しますよね。
Youtuberがコラボする理由や有名人が対談するのも、お互いの影響力とファン層をシェアするためです。
コラボ戦略は認知の拡大とブランドの向上に有効的でしょう。
IreneDAOの無料Mint戦略
Instagramで37万人、Twitterで12万人ほどフォロワーのいるクリプト系インフルエンサーであるIrena Zhao氏。
立ち上げたIreneDAOは、アナウンス時点でウェブサイトで無料でMintできるVIPパスの形式で配布されていました。
ガス代だけでMintできるエアドロップのような感じですね。
わずかな時間でMintされ尽くし、Openseaでの取引高は2500ETHを超えています。
今のレートでは9億円を超える取引高で、5%のRoyalityが設定されているので二次流通のみで約4500万円の利益になっています。
実験的に無料(もしくはほぼ無料)でMintできるNFTプロジェクトを作るのは戦略としてアリでしょう。
Memeと影響力を使ったCryptoadz
もともとMemeとして扱われていたカエルのペペの「カエル」というモチーフと、最古のNFTプロジェクトの1つとして日々話題になっていたCryptoPunksの「ドット絵」を組み合わせて作成されたCryptoadz。
ミームの文化は一気に世界に拡散される可能性を大いに秘めており、Lil Nas XもTiktokのミーム文化を念入りにリサーチして曲を作っていることを話しています。
今現在無名でもミームによって一瞬で世界的な有名人になることは珍しくありません。
NFTにもミーム要素を取り入れ、プロジェクトを作成していくのは戦略として検討すべきでしょう。
【関連記事】
NFTアートマーケティング戦略ガイドのまとめ
NFTアートは全体の0.01%くらいしか売れないほど熾烈なレッドオーシャンになりつつあります。
とは言っても、そのほとんどがFiverrで作られた1万円程度の元値の大したことのないただの犬とか猿の画像です。
本当に力を入れてコミュニティを運営し、マーケティングを実践する熱のこもったプロジェクトはごく一部です。
ここで紹介していることも一例にすぎません。
とにかくやっていくことでしか道は開けないので、NFTを作って販売しつつマーケティングに取り組んでいきましょう。
【関連記事】