メタバースという単語が爆発的に流行していますが、そもそもメタバースとは何かわかりやすく解説していきます。
メタバースが実現するとどのようなことができるようになるのか、過去にすでにあったメタバースとは何が違うのか。
同時に語られることの多い仮想通貨との関連性まで深堀っていきます。
- そもそもメタバースとは何か?
- メタバースとは仮想通貨との関連性は何か
- メタバースでできること5つ具体例でわかりやすく解説
- メタバースに入るために必要なものとやり方
上記を順番に解説していきます。
目次
そもそもメタバースとは何かわかりやすく解説
メタバースとは、コンピューターやネット空間に作られた現実世界と異なる3D空間のことを言います。
1992年にSF作家のニール・スティーブンスンが「スノウクラッシュ」というSF小説の中で「メタバース」という名称を登場させました。
1982年のSF映画トロン世界観ですでにメタバースは登場しており、世界観自体は40年前から存在しています。
メタバースがはじめてブームになったのが2006年頃ゲーム「セカンドライフ」の登場です。
すでに概念が登場していたメタバースが今になって注目され始めた理由と、メタバースがどのように進化してきたのか見ていきましょう。
メタバースとは?1982年にすでに存在していた
映画トロンの世界観はメタバースです。
トロンはざっくりいうと、物質転送機によってコンピューターの内部世界に送り込まれて現実世界を巻き込む戦いに挑んでいく、といった映画です。
人間がそのままデジタル世界に吸い込まれ、デジタル世界=メタバースとして描かれています。
40年前に思い描いていたデジタル世界が、現代のVRやAR、そしてブロックチェーン技術によって現実に近づいてきました。
次に2003年にはビジネスや恋愛、コミュニティから生活までがデジタル世界で実現された早すぎたメタバース「セカンドライフ」が登場します。
早すぎたメタバース「セカンドライフ」とはなにか?違いはあるのか
日本でも一大ブームとなったセカンドライフ。
PCを使ってアバターを作成し、現実世界のように数百万人の人が同時にログインしてデジタル通貨「リンデンドル」を使って生活するメタバースがリリースされました。
日本でも主に電通など大企業が大々的にPRし、火がつきました。
- セカンドライフで億万長者が生まれた
- 企業のPRの場になる
といったビジネスや一攫千金を狙って、PCに詳しくない一般ユーザーを巻き込んでのブームとなりました。
Mixiが採用の場として利用したり、ブックオフやセシールはECへの誘導のため、「セカンドライフ店」をオープンしました。
しかし、日本では2年後には「広告宣伝の効果があまりない」とされ多くの企業が撤退します。
メタバース「セカンドライフ」の中でデジタル不動産での売買やカフェの運営、と土地開発などで1億円以上稼ぐ人も現れましたが、一般人には難しすぎたのが主な原因です。
セカンドライフについては下記記事でも解説しているので、合わせてご覧下さい。
→早すぎたメタバース「セカンドライフ」とは?過去のブームとの違いは何か
今のメタバースとは何が違うのか
今メタバースがブームになっている主な理由はFacebookがMeta社と名称変更をし、四半期で1兆円以上もの研究開発費を投じ、メタバース関連サービスを開発していること。
Meta社としては現状広告収益モデルで展開しているSNS関連事業のユーザー数が頭打ちになり、新たな事業収入をメタバースに見出しています。
AppleはOSを開発し、PCやiPhoneといったハードウェアデバイスを展開、Appストアを通してゲームアプリなどから決済時の手数料収入を30%得ていますよね。
それと比べてMeta社は広告収益が主なので、ユーザー数が頭打ちになると売上が伸びません。
メタバースを作り、ゲームやアプリなどの企業によるサービスの展開を誘致し、手数料収入を得ることができるサービスの構築に狙いがあるわけですね。
また、Meta社とは別に仮想通貨を中心とするブロックチェーン技術の台頭がセカンドライフ当時のメタバースと今のメタバースの大きな違いです。
次の章で深堀していきます。
メタバースとは何か?仮想通貨との関連をわかりやすく解説
ブロックチェーン技術の登場によってより現実味が増してきたメタバース。
2017年では仮想通貨は「怪しい」とされていましたが、CNBCなど海外の経済ニュースでは毎日「Doge Coinの価格推移やイーサリアムの価格」が株や通貨と同様に扱われています。
動物の森やメイプルストーリーなどのゲームも、「3D空間の仮想世界」という意味では確にメタバースです。
しかし、現在話題になるメタバースと大きな違いは「Web3レイヤー」の上に構築されているか、いないか。
具体的にどのような大きな違いがあるのか、下記の順番で紹介していきます。
- ブロックチェーンによって民主化されたネットとメタバース
- 全世界通貨仮想通貨がメタバースの基軸通貨になる
- Web3レイヤーの上にメタバースが構築される
順番に説明していきます。
ブロックチェーンによって民主化されたネットとメタバース
現実世界の生活は法律の中なら自由ですよね。
対して、Web2の世界である巨大プラットフォームに構築されたSNS世界は理不尽な理由でアカウント停止される可能性があり、ある意味不自由です。
特に中国やロシアではアメリカが開発したSNSへのログインすらできない状況ですよね。
そもそも、仮想通貨は国家から自由になるために作られました。
「通貨の偽造」は重犯罪であり、日本であれば「無期懲役または3年以上の懲役」です。
仮想通貨のパンクな精神と縛られない世界メタバース
Facebookなどが独占禁止法違反として、よく国会に呼ばれて怒られているのをニュースで見ますよね。
テクノロジーを自由に開発し、進歩させることは法律や理解が追いついていない国家や官僚の敵とされることがよくあります。
国から自由になるためには縛られない新たな通貨を作る必要がありますが、捕まったら無期懲役の可能性があります。
そこで仮想通貨の代表格であるBitcoinは、「Satoshi Nakamoto」という架空の人物を担いで作られました。
誰が作ったのかわからない、プログラムが自走する通貨であれば逮捕される恐れを払拭できますよね。
仮想通貨技術の基礎となるブロックチェーン技術は管理者となるプラットフォームが存在しない、現実世界よりも「自由な世界」を構築することができます。
仮想通貨がメタバースの基軸通貨になる
通貨に必要な要素として、下記の2つがあります。
流動性→マーケットが成立する
譲渡可能性→第三者に譲渡できる
仮想通貨マーケットは、24時間365日稼働しています。
そのため株式相場の先行指標として見ている人も多いですよね。
また、銀行の振り込み引き出し手数料と比較しても大幅に引く手数料で第三者に譲渡することが可能です。
ドルや中国元に頼る必要があるアフリカ諸国や途上国は、ある種アフリカや中国の言いなりになってしまいます。
そこから脱し、真の意味で独立した国を経営するためには縛られない通貨が必要です。
エルサルバドルといった国が試験的にビットコインを法定通貨に採用するなど、銀行口座を国民の大半が所有していない国も追随する可能性が大いにありますよね。
全世界の人が当たり前に使う仮想通貨がメタバースの基軸通貨となり、やりとりをする未来は容易に想像できるかと思います。
Web3レイヤーの上にメタバースが構築される
Meta社がメタバースを開発していますが、ビジネスモデル次第では失敗する可能性が高いです。
というのも、Web3は巨大テック企業により支配される世界を嫌うからです。
ブロックチェーンによって構築されたメタバースはどんな発言をしても規制されることがなく、全てのユーザーが少しずつ株式としてのガバナンストークンを保有し、全ての人がある意味主権者となります。
Web3レイヤーの上に構築されないメタバースは箱庭ゲームと変わらない、ただの「ゲーム」となってしまいます。
結果、セカンドライフの二の舞になることが予想できますよね。
DecentralandやThe SandboxといったWeb3レイヤーに構築されたメタバースと、その他メタバース関連サービスの今後の取り組みを注視していく必要があります。
メタバースとは何か?できることをわかりやすく解説
メタバースは現実世界と同様に構築された「仮想世界」ですが、実際どんなできることがあるのか紹介していきます。
下記は一例ですので、実際にメタバースに訪問して確かめてみることをおすすめします。
- メタバース内で世界中の人と交流
- メタバース内で仮想通貨を使ったビジネスができる
- リアルタイムに描画される現実世界と同じメタバース
- メタバースによって教育が進化する
- メタバースでできることは現実世界と同じ
順番に説明していきます。
メタバース内で世界中の人と交流
メタバース内には世界中の人が集まります。
リアルでは会話ができない人同士でも、リアルタイムの翻訳機能の実装によりタイムレスに会話が可能になります。
アフリカの人と一緒にプロジェクトを運営したり、東南アジアでビジネスを展開する、といったハードルが高いと思われる行為もメタバースの中なら簡単にできるようになるでしょう。
メタバース内で仮想通貨を使ったビジネスができる
DecentralandやThe SandboxといったWeb3レイヤーに作られたメタバースでは、仮想通貨を使ったビジネスをすることが可能です。
例えば、上記画像はDecentralandのカジノに行った時の画像です。
右下に仮想通貨のアイコンが表示されていますが、Decentraland内の共通通貨であるMANAやEthereum、USドルと連動するステーブルコインであるDAIなどを使って遊ぶことが可能です。
メタバース内の人気コンテンツであるカジノは、全世界から毎日6000人ほどのユーザーが訪問しています(2022年3月現在)。
Decentralandで土地NFTを購入し、カジノを作り上げビジネスを構築すると、カジノ不動産の貸し出しや事業売却も可能ですよね。
売却方法はそのままNFTの売却で完結できるので、従来の事業売却と比較してスムーズなビジネス構築が可能です。
リアルタイムに描画される現実世界と同じメタバース
今のメタバースは3Dで作り上げられた仮想空間ではありますが、グラフィック含めゲーム感が強いですよね。
また、リアルビジネスとの連携も広告宣伝意外に使い道がないという批判もあります。
しかし、将来的に宇宙を包囲するような人工衛星の打ち上げを企画しているスペースXなどの参入により、リアルタイムに描画される第二の地球をメタバースに作り上げることも可能です。
わかりやすい例だと、全世界を移動する車を描画し、スピード違反や駐車違反をした車に対してAIで自動的に罰金をメールなどで送信することも可能になります。
メタバースの可能性は無限大で、リアルビジネスとの連携も今後幅が広がっていくと考えられます。
メタバースによって教育が進化する
将棋で有名な藤井聡太さんは、AI将棋との対戦を経て若くして異常なまでの強さを手に入れたようです。
対人で将棋を練習するよりも、より強く新たなパターンを学習するAIとの対戦が、ミスをしない戦略的な将棋に繋がっています。
車の整備や修理といった作業は、現場に行って訓練するよりもVRで事前にさまざまなパターンを学習しておき、学習し終えた段階で現場にいくというワークフローが構築されつつあります。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/17/news074.html
上記記事では、トヨタがVRを導入して車体修理の学習を進めていることが紹介されています。
メタバースとVRやARの組み合わせでありとあらゆる教育が可能であり、新しい時代の教育のあり方を変えてくれるだろうと考えられますね。
メタバースでできることは現実世界と同じ
メタバースでできることは、仮想通貨が組み合わさることで通貨の流動性が生まれ、食事以外の社会活動は基本的にできるようになります。
メタバースでできることは無限大です。
ネットによってECと広告において新たな巨大産業が生まれたように、メタバースと仮想通貨で通貨と教育の革命が予想されます。
今、メタバース関連事業に参入することで次の大きな波を捉えることができるかもしれませんね。
メタバースに入るために必要なものとやり方【VRは必須じゃない】
メタバースを体験するために、実はVRは必須ではありません。
- できればVRデバイス
- 高スペックなPC(スマホでもok)
- 仮想通貨とデジタルウォレット
上記順番に説明していきます。
できればVRデバイス
VRデバイスは必須ではありませんが、できれば準備しておきたいです。
VRで体験するメタバースと、PCやスマホで触るメタバースとでは没入感が大きく違います。
VRやARは今後新たな巨大市場を生み出すことも予想されていますが、一度VRを使ってメタバースを体験しておくのはおすすめです。
Oculus Quest2なら4万円ほどで購入できるので、ぜひ本格的なVRに触ってみてください。
高スペックなPC(スマホでもok)
現状、メタバースを利用する際はある程度高スペックのPCが必要です。
ゲーミングPCで15万円~20万円ほどのものであれば十分ですが、あまり持っている人も多くはないですよね。
Decentralandをはじめメタバース系サービスではスマホへの対応を進めているので、近日中にスマホでも利用できるようになると予想されます。
しかし、メタバース内の不動産であったり土地開発にはやはりPCが必要です。
がっつり取り組んでこうと考えている人、VRやAR系のサービスを自分で構築してビジネス展開をしようと考えている人はPCを購入しておきましょう。
仮想通貨とデジタルウォレット
Web3レイヤーに作られたメタバースが本丸だという話をしてきましたが、Web3なのでもちろん仮想通貨とデジタルウォレットが必要になります。
ウォレットなしでもログインはできますが、ゲスト扱いになるのでカジノなど通貨を使ったサービスを利用できず、ただメタバース内を散策するだけになってしまいます。
仮想通貨はEthereumなどをCoincheckで購入し、Metamaskなどデジタルウォレットに送金して使いましょう。
Coincheckのアカウント開設も、Metamaskの利用も無料でできます。
まだ持っていない人は下記リンクから準備しておきましょう。
ここまで用意できたら、まずはサクッとメタバースを体験してみましょう。
無料で中に入ることができます。
下記記事にてメタバースのやり方を解説しているので、参考にしつつ実際にメタバースに入ってみましょう。
メタバースは何か分かったけど結局流行らないのでは?
メタバースはARやVRなどなんだか難しそうだし、高スペックなPCなんか持っていない…
結局セカンドライフの二の舞になって流行らないのでは?と思う人も多くいるでしょう。
今すぐにメタバースが流行ることはないでしょう。
セカンドライフの時代→ギーク向けで流行らない
仮想通貨→なんだか怪しい
NFT→仮想通貨は知ってるけどNFTはただのJpeg
メタバース→流行らない?
上記のように、時代を移るにつれ前回は怪しいと言われていたものが当たり前になってきています。
クラウドファンディングやオンラインサロンであったり、Youtberという職業。
Instagramのビジネス活用やTiktok広告など、はじめは怪しいと思われていて今では当たり前に利用されているものって結構ありますよね。
仮想通貨やブロックチェーンも4~5年前は怪しいと言われ続けていましたが、今ではDeFiなど資産運用を利用し、月に数百万円以上のリターンを得ている人も山ほどいます。
USドル連動の暗号通貨をDeFiに入れるだけで年利10%を超えるものも珍しくなく、かなりバグっていますが、先行者利益を得られるのが資本主義ですよね。
今後メタバースがどのように社会に浸透していくのか楽しみです。