CrypToadzは6,969このカエルのドット絵からなるNFTプロジェクトで、CryptoPunksからインスピレーションを受け匿名アーティストであるGremplinによって作成されました。
わずか数日のうちに全てのNFTプロジェクトの中でも総売上ランキングで上位に位置するようになり、フロアプライスは5ETHから15ETHで推移し、合計で40,000ETH(当時のレートで2億円ほど)の販売量を達成しました。
このCryptoadzの成功は多くのNFTアーティストに影響を与え、Weird WhalesのといったNFTプロジェクトの成功も起因になっています。
今回は、どのようにしてCryptoadzが作られ、成功に至ったのか紹介していきます。
目次
Cryptoadzから見るミームの重要性
Cryptoadzは0.069ETHで匿名アーティストであるGremplinによってリリースされました。
社会批判やミーム文化は暗号通貨と切っても切り離すことはできない事柄ですが、Cryptoadzも同様です。
Dogecoinなど特にミーム文化が価値を持った有名な例です。
よくひろゆき氏が運営に関わり、Qアノンを産んだ4chanにも登場しているカエルのぺぺ。
「Pepe the Frog」はweb漫画であるBoy’s Clubに登場する平和なカエル野郎といったキャラクターだったのですが、2016年の大統領選にいたるまでに白人史上主義やオルタナ右翼といった人種差別活動の象徴としてネットミームとして使われることが多くなりました。
そのため、ヒラリークリントンがペペを人種差別主義者によるヘイトの象徴とみなし、名誉毀損防止同盟にまでヘイトの象徴として指定する、といったところまで発展しました。
このようなミームと社会批判は暗号通貨におけるプロジェクトだけでなく、多くのウェブ上のプロジェクトにおいて世界的に派生していくためには不可欠です。
ミーム・社会批評アートとしてのCryptoadzの評価
Gremplinは匿名アーティストでありながら、Twitterを通してNFTに注目が集まる以前からsh回批評やミームを通してアート作品を発表し続けてきました。
世界的にも話題になったBeeple氏も同様、インスタグラムのフォロワー数は100万を超え、ZEDDやLouis Vuittonといった著名DJやブランドへアート作品を提供してきました。
NFT販売額として価値が数字として目にみえるようになっただけで、以前から評価されてきたアーティストであることに間違いはありません。
今までに積み上げてきたファンとアーティストとしての評価がCryptoadzをリリースして15分で完売したことに表出してきた、と見るのが正しいでしょう。
もちろん、CryptoPunksへの注目が集まる中ドット絵を採用し、ミーム文化とも近しいカエルをモチーフにしたことも大きな要因でしょう。
Cryptoadzはどのようにして生まれたか?
Gremplinは2021年1月頃からNFTアートの制作を開始しました。
Cryptoadzのプロジェクトを開始する数ヶ月前からさまざまな試行錯誤をはじめました。
NFT作品やプロジェクトを量産していき、Gremplinは試行錯誤の末に自身のスタイルを確立していきました。
「以前、2017年にCryptoKittiesのフリッピング(転売)に手を出したことがあり、NFTアートのボラティリティを理解しています。すぐに思ったような成功は得られなかったので、何が売れているのかを調べました。それは、3Dアートでした。」とGremplinは話しています。
「3Dソフトウェアで基本的な形をモデリングして、その上に絵を描き、それを回転させて、その上に絵を描くようにしました。それもみんなに好かれましたが、それはとても大変な作業でした。」
とGremplin氏は話しています。
とにかく初期はNFT作品を作って発表してみる、そして試行錯誤して自分なりのスタイルを確立していく。
この流れの中でファンがつけばそれはマーケティング活動にもなりますよね。
これからどうしようか迷う時間は不要で、試行錯誤してアウトプットしていく時間を作っていくことがNFTアーティストとして成功するためにとても大切です。
Weird WhalesとCryptoadzとCrytopunks
This 12-year-old coder helped develop an NFT collection that made over $5 million in 3 weeks. (via @CNBCMakeIt) https://t.co/sJDloLcxM3
— CNBC (@CNBC) October 16, 2021
Gremplin氏はNFTプロジェクト「Loot」制作者などと共にCryptopunksのDAOプロジェクトとも言われる「Nouns」のメンバーとして関わるようになりました。
その当時、ロンドンを拠点とする12歳のプログラマーBenyamin Ahmedによって制作されたWeird Whalesは、2021年7月に発売され、CryptoPunksからインスピレーションを受けたプロジェクトとして成功を納めました。
CryptoPunksと同様のドット絵といった特徴からインスピレーションを受けたクジラをテーマにしたNFTコレクションは、12時間足らずで完売となり、3000万円以上の売上を記録しました。
詳しくは下記記事でも解説しています。
→【小学生が1800万円】 NFTアートが売れた事例5つと売るためにすべき3つのポイント
とにかく最初に思いついた動物を素早くCryptoPunksにインスピレーションを受けたドット絵のアートを作成することを考えた時に、カエルのモチーフに辿り着いたとGremplin氏は話しています。
友人たちと立ち上げたCryptoadzコミュニティ
Weired Whalesの成功の後、数週間カエルのコンセプトアートを制作し、DiscordやTwitterを使ってアイデアをどんどん公開していきました。
そして1ヶ月も立たないうちに公式Twitterアカウントを公開しました。
当時から、Cryptoadzの開発中に主導権を握っていたのはGremplin氏ではなく友人たちだったと話しています。
NFTアートプロジェクトの成功にはコンセプトやアイデア、スピード感も大切ではありますが、なによりも必要なのはDiscordコミュニティの育成です。
興味を引くNFTプロジェクトがあっても、Discordに「Scammer」が多く存在していたり、盛り上がりがない死んだコミュニティであれば購入しようとは思えませんよね。
Cryptoadzコミュニティを成功に導いたのは友人たちによるポジティブなコミュニティ運営であったと話しています。
Cryptoadzと著作権問題
多くのNFTプロジェクトはIPとしての著作権を放棄していません。
これは購入者が二次利用をしてビジネスをできないことを意味します。
しかし、CryptoadzはCC0のライセンスを発行しており、Webサイトにも「GremplinはCrypToadzのすべての著作権および関連・隣接権を放棄しています」と記載されています。
CC0のライセンスに沿った形でアートが使用される限り、世界中の誰でもCryptoadzを使用することができるのです。
NFTの価値はデジタル資産においてコピーすることができない唯一性を与えることができる点にあります。
購入したCryptoadzを他人が使ってTwitterのアイコンにしていたり、コピーしてTシャツにプリントされるのであれば、自分で所有している意味がないと考える人もいるかと思います。
しかし、コピーされること=多くの人に知られること、ですよね?
つまり、多くの人の目に触れて知られるようになればなるほど、保有しているNFTの価値は上がります。
Cryptoadzは著作権に関してCC0のスタンスを取っていますが、これがコミュニティや価格へどのような影響が与えられるのか今後も楽しみです。