数あるNFTの中でも一際異質で、NFTのロレックスとも言われるCryptoPunks。
世界的に超高額で取引されており、手に入れることができるのは一握りのセレブだけ。
ブロックチェーンの歴史の中でも最も貴重な資産の一つであり、NFT業界にとっても重要な存在です。
多くのNFTにインスピレーションを与え、NFTの歴史だけでなくイーサリアムブロックチェーンとも密接に関係しているCryptoPunks。
NFTを理解し、今後の未来を占うためにもCryptoPunksに対する理解は重要です。
今回はCryptoPunksの歴史から特徴についてNFTの流行の流れから解説していきます。
目次
CryptoPunksとはなんなのか?
CryptoPunksとは、Larva Labsが作成したNFTで、10,000体のユニークなドット絵の作品です。
Larva Labsによって2017年の6月にローンチされたCryptoPunks。
イーサリアムブロックチェーン上の最も歴史の古いNFTコレクションの1つです。
人間や猿、ゾンビ、エイリアンをモチーフにしたユニークな24×24のピクセルアート画像1万枚で構成されています。
それぞれのCrypto Punksは、87のユニークな属性から作成されており、1つのCryptoPunksが保有することのできる特性は7つです。
7つの属性がレアなものの組み合わせであればあるほど高額で取引されています。
Crypto Punksは無料で配布されていた
今でこそOpenseaやLooks Rareなど多くのNFT販売プラットフォームが存在し、数億円以上の値がつくものもあるNFT業界。
Crypto Punksが作成された2017年当時は日本ではCoincheckによる出川さんを起用したCMが公開され、出川組が流入し活況でした。
しかし、「NFT」なんて言葉を知っている人はおろか誰も存在を知らなかったのが当時の状況です。
そこでCryptoPunksはイーサリアムブロックチェーンの可能性を信じるマニアやコレクターを集め、無料で配布してプロジェクトをスタートします。
当時はMetamaskのようなブロックチェーンウォレット自体存在していましたが、使っている人も少なく、イーサリアムブロックチェーンに対応したウォレットを持っている人にのみ配布されました。
CryptoPunksにはロードマップもコミュニティも存在しない
BAYCのように今盛り上がっているNFTプロジェクトはコミュニティが必要だし、ロードマップがなければ誰も購入しようと思いません。
しかし、当時のCryptoPunksにはロードマップもなければコミュニティも存在しませんでした。
Larva Labsはただ実験的にイーサリアムブロックチェーンを使ったNFTを作成し、テクノロジーの可能性を信じるコレクターに配布しただけでした。
しかし、2021年にかけてNFT業界が盛り上がってきたことで最古のNFTの1つとして注目されるようになりました。
2017年以来無料配布から売らずに保持していた人の中には数億円以上のリターンを得た人も珍しくありません。
2021年のNFTの流行とCryptopunks
NFTをはじめて知って有名なプロジェクトを調べ始めると、おそらく最初にCrypto Punksの存在に気づきます。
Cryptopunksは多くのNFTプロジェクトに影響を与えており、NFTを語る上で避けては通れません。
2017年7月6日、CryptoPunksの属性の中でも特に数が少ないエイリアンモチーフのCryptoPunks #3100が8ETH、当時の価格で25万円ほどで売却されました。
当時、ただのJPEG画像に25万円を払うなんてあり得ないと考えられていました。
しかし2021年の3月に同じCryptoPunks #3100は4200ETH、約8億円ほどの価格で売却されました。
歴史的なできごとで、この高額売却がNFT業界へ大きな注目を集めるきっかけにもなりました。
CryptoPunksで億り人になった人はどのような人か?
断言できるのは、CryptoPunksに2017年という早い時期に出会って無料配布で受け取ることができた人は、「イーサリアムの可能性を信じ暗号通貨の可能性を信じていたい人」です。
仮想通貨やNFT、DAO、DeFiなど多くの人が懐疑的な視線を送る中で自分の信念とテクノロジーの可能性を信じ抜くことができた人のみが、CryptoPunksへ早期からアクセスすることができました。
これはどのようなNFTでも似た動きがあります。
例えば、rtfktが村上隆氏といった著名なアーティストとコラボでリリースしたClone Xにも早期アクセス権がありました。
rtfktは初期から著名なアーティストとのコラボでNFTスニーカーを作成したり、優れたVFX技術とUnreal Engineでの3Dアバター制作をしており、過去のrtfktのNFT保有者にはClone Xの早期Mint権が付与されていました。
CHAPTER 2 is about ECOSYSTEMS 🌐♾🌐
From now on, every release will have native Clone Wearable and Pods display utility 🤌Introducing the Clone and Pod Ecosystems 👇 pic.twitter.com/DwCgGx78Ku
— RTFKT Studios (@RTFKTstudios) February 3, 2022
その後Clone XにはSpacepodやMNLTHのAirdropがあったように早い段階から可能性を信じているユーザーにはその分恩恵があることが多いです。
もちろん、詐欺プロジェクトやただのポンジスキーム的なプロダクトが多いことには注意すべきです。
CryptoPunksの購入方法
他のNFTと同様、CryptoPunksを購入するためにはイーサリアムが必要です。
また、すでにMintされている10000体のCryptoPunksの所有者にコンタクトをとる必要があります。
下記3つのステップでCryptoPunksを購入することができます。
- Coincheckでイーサリアムを購入
- Metamaskに入金
- Larva LabsのサイトにてCryptoPunks購入オファー
順番に説明していきます。
Coincheckでイーサリアムを購入
NFTは取引所で現金やクレカを用いて購入できるものもありますが、基本的にイーサリアムブロックチェーン上で使うことができる暗号通貨であるイーサリアムを使って購入していきます。
イーサリアムはCoincheckなどで購入可能です。
まだ仮想通貨取引所のアカウントを持っていない場合は無料で開設できるので、下記からアカウントを取得しましょう。
Metamaskに入金
CryptoPunksを購入するには、Larva LabのWebサイトにソフトウェアウォレットを接続する必要があります。
すでにNFTを購入している人であれば、OpenseaとMetamaskを接続するのと同じく難しい作業ではありません。
Coincheckで購入したイーサリアムをMetamaskに入金し、Larva LabのWebサイトと接続したら購入準備完了です。
Larva LabsのサイトにてCryptoPunks購入オファー
10,000個のCryptoPunksはすべて、イーサリアムのブロックチェーン上ですでにMintされています。
つまり、CryptoPunksを購入したい場合は、すでにコレクションを所有している人から購入する必要があります。
Larva Labのウェブサイトに行き、販売されているCryptoPunksを確認します。
CryptoPunksはオファーを受け付けていて購入価格が設定されていないものも多くのあります。
売り手があなたからの入札を受け入れると、イーサリアムのブロックチェーンを通じて取引が処理され、あなたのイーサリアムウォレットにNFTが送信されます。
現在の価格が気になる方は、Larva Labのサイトを確認してみてください。
https://larvalabs.com/cryptopunks
Cryptopunksの未来とこれから
2017年の設立からわずか数年でCryptoPunksはNFTやイーサリアムブロックチェーン上のプロダクトとして確固たる地位を確立してきました。
イーサリアムブロックチェーンの上に刻まれているプロジェクトであるため、今後永遠に残り続け、普遍的な存在となっていくことは明白です。
これからも多くのNFTプロジェクトに様々な影響を与え続けていくと考えられます。
CryptoPunksに見るNFTと著作権
CryptoPunksはNFTにまつわる著作権問題についてもケーススタディとして語られることも多いです。
NFTにおける著作権はまだ未知の領域です。
特に日本では「デジタル資産」における「所有権」に関する法整備はされておらず、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨に関しても「所有権」は認められていないのが現状です。
CryptoPunksを発行するLarvaLabsはCryptoPunksの所有者に対して知的財産権、著作権、商標の利用を一切与えておらず、個人的・非商業の目的のためにアートを使用することができるよう整備しています。
サードパーティー製品やアートそれ自体を改変することは認めておらず、商品化した場合は年間10万ドルまでの利益をえることを認めています。
NFTに関する著作権や所有権の問題は毎日のようにTwitterなどSNSで議論されていますが、今後アートやメディア、コミュニティ、既存の既得権益が支配するネット空間や金融業界などを破壊するきっかけになるかもしれません。
全てのSNSやネット空間はGAFAなど企業が所有するものであり、いつアカウントを停止されても文句を言えないのが現状です。
CryptoPunksやNFTを通じてデジタル資産の所有に関する議論のきっかけになっているだけでも新たな可能性を示唆しているようでワクワクしますよね。
そもそもCryptoは既存の金融を破壊する「Punk」な運動が起源にあり、そこから生まれたCryptoPunksが一般の消費者を巻き込んだ議論のきっかけになること自体は好ましい動きのように思えます。