NFTはスクショやコピーできるから、意味がないという話がよく出てきます。
そもそもNFTは識別子をブロックチェーンに格納したものであり、上に乗っている画像はただのjpegでありもちろんコピーすることができます。
NFTはコピーガードの技術ではありません。
この辺りを深堀して解説していきます。
目次
誰でもNFTをコピーすることができる
NFT時代にコピーガード的な機能はないので、画像の複製を制限できるとか、漫画村のようなサービスを回避できるということはありません。
では、NFTがコピーや複製に対してできることはなんなのか。
それは下記の3つです。
- 右クリックでコピーしても所有しているわけではない
- ブロックチェーンをコピーすることはできない
- 著作権はアーティストに残る
順番にみていきましょう。
右クリックでコピーしても所有しているわけではない
あなたがルーブル美術館に行って、スマホでモナリザの写真を撮ります。
これで、モナリザの所有権があなたに移動してあなたが所有してことになりますか?
当たり前ですがなりませんよね。
NFTには識別子がブロックチェーン上で記録されているので、画像をコピーすることができても所有した証明にはなりません。
コピーできるがコピーするほど所有者のNFTの価値が上がる
モナリザは誰もが知っている世界的なアートですが、コピーできる、写真に撮れるからといって価値が下がることはありません。
有名になればなるほど価値が上がるのがアートの相対的な評価ですよね。
NFTも同様にスクショできるし、あなたのスマホのホーム画面にすることもできます。
しかし所有していないなら、あなたのものではありません。
他人の所有しているNFTをコピーすることはできますが、コピーされればされるほど多くの人に知られるので、NFTの価値は上がっていきます。
この辺りはNFTをスクショしても意味がない理由【むしろ価値が上がる】でも解説しています。
ブロックチェーンをコピーすることはできない
ブロックチェーン、特にNFTはEthereumやSolanaなどに紐づけられていますが、ブロックチェーンであるが故全てのトランザクションが永遠に記録されます。
誰がNFTを発行し、誰が購入し、今の所有者が誰なのかブロックチェーンを遡ることで参照することができます。
全く同じNFTアートが出品されたとして、少数の騙される人はいるかもしれませんが見た目が同じでも同一ではありません。
ブロックチェーンはコピーすることができず、同じNFTは2つとして存在することはできません。
コピーガード機能はありませんが、ブロックチェーンをコピーすることはできません。
著作権はアーティストに残る
NFTを発行することに著作権を放棄するかどうか、アーティストによって決められます。
Bored Ape Yacht Clubなど猿のNFTを商用利用できるよう定めているものもあれば、全く利用できないものもあります。
■関連記事
ただプロフィール画像としてだけ使えるものもあれば、購入したNFTやそのブランドを利用してビジネス展開できるものもあり、NFTを発行したアーティストによりけりです。
故人による未発表の音源をNFTとしてものも販売され、音源を聞くことができるのは所有者のみ、公開することはNGといったものも存在します。
音楽NFTの事例については【NFT&音楽】事例5選と売り方作り方まで徹底解説でも紹介しているので合わせてご覧ください。
NFTは著作権放棄型のキャラクタービジネスが望ましい
ブロックチェーンによって永遠に残り続け、自由に二次利用ができる、そしてDAO化される。
DAOとはガバナンストークンが株と似た機能をもち、トークンを保有している人たちによる意思決定によって自律的に運用される団体のことを言いますが、NFTのキャラクタービジネスとシナジーが大きいです。
コミケなどで二次制作の作品や漫画が黙認され販売されていますが、DAO化され著作権が放棄されたNFTキャラクタービジネスであれば二次制作は無限に可能だし、より世の中に親しまれやすい形態を取ることができます。
Cool CatなどはNFT保有者であれば自由にグッズ制作が可能であるなど、より自由度の高いNFTキャラクターが今後現れてくるのも楽しみですよね。
NFTはコピーできるものであり、著作権保護機能はない
NFTにアーティストを守る機能はありません。
よって、勝手にモナリザを模したNFTが販売されてしまうし、著作権者に無断でNFTが販売されていることも珍しいことではありません。
そういった行動は単に著作権を違反しているし最悪捕まります。
しかし、アーティストを守ることはできないにしても、アーティストの新たな活動の場になることは間違いありません。
NFTはコピーできるがアーティストの活動の支えになる
今まで下請けや孫請け構造によって低賃金で使われ、修正や戻しを永遠に受けざるを得なかったアーティストや、低賃金労働によって疲弊し自分の作りたい制作物を世に出すことができずにいたアーティストは多くいます。
日本では特に孫請け構造などが顕著ですよね。
そういった現状に対し、打開策となるのがNFTによって相対的に作品が評価され、アーティストが直接資金を稼ぐことができるようになったことがあります。
コピーできるが、NFTはアートの機能が本質ではない
NFTはブロックチェーンに紐づけられた識別子です。
NFTの使い道はプロフィール画像だけでなく、医療現場や不動産、個人IDなど多岐に渡ります。
- 中身のデータを参照できること
- 世の中に唯一存在すること
- ブロックチェーンによってシステムが分散していること
以上の条件が止まってはいけない行政や医療現場などのサービスに適しています。
みずほのようによく止まるシステムはブロックチェーンに置き換えることで改善される可能性が大いにあります(現実的かは置いておいて)。
NFTアートの使い道5つとビジネス利用の可能性にて具体的なユースケースや、研究を進めている企業について紹介しているので興味のある人はどうぞ。
NFTはコピーできるがただのjpegではない理由
そもそもjpegは上に乗っているイラストのことであり、本質的な価値はイラストにはありません。
コミュニティであったり商用利用できる権利であったり、ブランドや参照できる情報といったNFTの技術に価値があります。
NFTアートはNFTを利用したアートのデジタルアートの形であり、現状市場規模が一番大きいのは間違いありません。
NFTアートからNFTに触れ、今後世界を変えるようなビジネス構築の裏側を理解するには入り口として良いですよね。
NFTを勉強する方法3つ【英語学習のすすめ】ではNFTを学習したい人向けに情報ソースを紹介しています。
手っ取り早くNFTを作ってみたい人はNFTアートの作り方ガイド【初心者でも今日からできる】を合わせてご覧ください。