NFTは胡散臭いといって敬遠する人がほとんどです。
楽して稼げるわけはないし、なんだかよくわからない猿のアイコンに3000万円もかける理由がわからない。
実際に日本でNFTを購入したことのある人は数千人程度で、全然流行っていません。
(Openseaの日本人ウォレット数は数千です。)
今回はNFTが胡散臭い理由3つと、それでもなぜ世界的に話題になっているのか解説していきます。
目次
NFTが胡散臭い3つの理由
NFTが胡散臭い理由は大きく分けて3つ。
- NFTとかよく分からないし胡散臭い
- NFTが稼げる系の文脈に利用されている→楽に稼げるわけがない
- NFTは詐欺が多すぎる無法地帯
中でも、NFTというはじめて登場した言葉の意味も分からないし、外側から見るとただのJpeg画像なわけです。
こんなものに大金を払う理由もないし、作る側の思考も買う人の思考もわかりませんよね。
この時点で胡散臭く感じる人は多いはず。
では順番に胡散臭い理由を紹介していきます。
NFTとかよく分からないし胡散臭い
NFTとはNon Fungible Tokenの略で、Ethereumブロックチェーン上に作られたデジタル資産です。
日本語では非代替性トークンと言います。
聞き覚えのない単語でわかりにくいので、具体例で紹介します。
1万円札は5000円札2枚と交換することができるので、「代替可能」ですよね。
しかし、ピカソが絵を描いた1万円札は5000円札2枚と交換することはできませんよね。
ここで「非代替」になるわけです。
ビットコインなどの暗号通貨は代替可能であり、NFTは非代替性トークンということになります。
NFTの識別情報は、似ている作品だとしても全ては別のものであり、暗号通貨や現金と交換が可能かどうかは相対的な価値によって決まります。
たとえ猿のNFTだとしてもBAYCが発行しているものでなければ価値は0だし、公式のBAYCなら100Eth以上の価値がつくわけです。
【NFT】猿のアイコンが流行っている背景に何があるのかでもこのNFTの流行の背景について解説しているので、合わせて読んでみてください。
NFTについてさらに具体例が知りたい方は【事例多数】NFTとは?簡単に超わかりやすく解説にて紹介しています。
NFTが稼げる系の文脈に利用されている→楽に稼げるわけがない
小学生がNFTで3000万円を稼いだ、夏休みの自由研究でNFTを作ったら50万円で売れた、などニュースに取り上げられるとなんだか「楽して稼げそう」な印象を持ちますよね。
メディアは「稼げる系」や「裏技」っぽいコンテンツをよく作ります。
理由はPVを作れるからです。
NFTが稼げるかというと、市場規模はあり得ないスピードで拡大しているので稼げるかもしれません。
しかしNFTをビジネスとして成立させるためには下記の技術が必要です。
- グラフィックデザイン、イラレなどの技術
- SolidityでオンチェーンのNFT作成
- Twitter、Discordを使ったマーケティング
楽して稼げそうに見えて、全くそんなことはありません。
ほとんどの人がNFTを作って出品する前に力つきます。
出品できても1つも売れずにモチベーションが下がって「やっぱり売れないしNFTなんて胡散臭い」と思って諦めます。
ビジネスを立ち上げる=楽なわけがない
NFTを売ろうとしているなら、それは起業家と同じですよね。
自分で商品を作って販売することはとても難しいことだし、さらに新たな領域であるからこそ英語での学習も必要でハードルが高いです。
楽して稼げると思っている人は早めに辞めておいた方が良いでしょう。
NFTは詐欺が多すぎる無法地帯
毎日のように新たなNFTコレクションが発表されています。
中には詐欺紛いのものが多く、値段が上がると思って購入したのに運営は売上を抜き出してそのままドロンなんてケースもよくあります。
NFTをよく購入していて英語のホワイトペーパーやロードマップ、運営者の情報まで調べていても騙されるケースはよくあります。
NFTはある種ブームで、「稼げる」というワードが一人歩きしています。
調べていても騙されるのに、調べるリテラシーもない人が金を持ってやってきたらカモになるだけですよね。
【関連記事】
NFTに限らず新しい業界は詐欺が横行する
2000年代のインターネットバブルでは「IT企業」というだけで価値がありました。
薄っぺらいプレゼンで簡単に資金を集めることができ、そのほとんどの企業が消滅しています。
その中でも本物の企業であったサイバーエージェント、ソフトバンクや楽天などは今では大企業に成長していますよね。
新たなテクノロジーが登場すると、金目的でリテラシーの低い人が集まります。
簡単に金を集められることが分かると、投機マネーを集めに詐欺師が寄ってくるのは当たり前の話ですよね。
2017年にICO詐欺、それからDeFi、NFTに詐欺師が移動している
2017年はガクトのスピンドル事件をはじめとし、巨額なICO詐欺が横行していました。
その中でも本物のプロジェクトのみが今の暗号通貨を牽引していますよね。
その後DeFiでも巨額なスキャムプロジェクトがラグプルを引き起こし、今ではNFTの詐欺プロジェクトが多く存在します。
歴史は繰り返しますよね。
NFTが胡散臭いかというとNFTに集まってきている詐欺師が胡散臭いだけの話だということがわかります。
なぜNFTなんて胡散臭いものに大金を払う人がいるのか
NFTは確かに胡散臭いと思われがちですが、テクノロジーの最先端であるWeb3に期待を込めて大金を払う人は多く存在していることが事実です。
搾取され続けてきたクリエイターの働き方を変え、Instagramに投稿するだけでお金に変わることのなかったデジタルデータに価値を与える。
イラストや動画、3DCG、音楽やテキストなどクリエイティブに生きる人にとってNFTの仕組みは新たな可能性を生み出します。
NFTの利用価値については次々に生まれてきており、Bored Apeレストランがカリフォルニアにオープン【NFTビジネス事例】では購入したNFTを利用したレストランの事例を紹介しています。