結論として、ほとんどのNFTは意味ないです。
Twitterのアイコンに使うならアイコンとしての価値しかないし、数千万円で取引されていようとそれ自体はただの画像です。
なぜNFTは意味ないのか、今後NFTはどうなるのか考察していきます。
目次
NFTは意味ないのか→10,000枚のjpegには意味がない
NFTの技術は革新的であり、クリエイターやエンタメ、インターネットの未来を変えうるお存在になるかもしれない、と思っています。
しかし、今「NFT=10,000体のjpeg」だと思っている人がほとんどですよね。
NFTは画像のことではありません。
画像の背景にある技術のことであり、画像それ自体には基本的に価値はないでしょう。
あるとすれば、相対的に人が見出した場合に意味あるものに変わります。
それはNFTに限らず、アート、通貨にもいえることです。
少し話がずれますが、多くの人が価値があると思い込んでいるものがほとんど幻想である話をしていきましょう。
NFTに限らず、現代アートに意味はあるのか論
デュシャンが便器にサインを描いたことでどうして作品になったのでしょうか。
もし私が仕事帰りにスタバに寄ってサインを描いたら器物損壊で逮捕されるかもしれません。
「現代アートなんだ!」とか叫んでも不審者扱いされるだけでしょう。
村上隆氏は欧米の需要を捉えて、日本文化をわかりやすく発信し、とてもビジネスやマーケティングに重きを置いて芸術をやっています。
自著である「芸術起業論」はまさにビジネス書で、ビジネスとして捉える現代アートについて書いています。
絵自体に価値があるのではなく、世界の人が読むナルトを作った岸本斉史が描くナルトだから価値があるのです。
絵が綺麗なだけのNFTは意味ない理由
NFTそれ自体、特にどこの馬の骨ともわからないスキャムプロジェクトのNFTアートに価値がつくのではありません。
最古のコレクティブルプロジェクトであるCryptoPunksに価値がつくのはNFT世界に革命を起こしたからですよね。
アートの側面で切り取るなら、ただ色が綺麗なのではなくなにか文脈や新たな概念、 バックグラウンドが大切です。
村上隆氏は自身が注目されるに至った理由を「新たな新興宗教を作ったようなもの」と話しています。
通貨の価値も幻想である話
例えば日本銀行が発行しているコインや紙幣って、ただの金属や紙ですよね。
江戸時代に流通していた小判には金が含まれていました。
それから金の含有量が下がっていき、1885年には日本銀行が発行する紙幣が流通するようになりました。
ドルやユーロなど他の国の通貨や、経済状況、金利など様々な相対的な要因で通貨の価値は変わりますよね。
通貨に価値があるのか、というと特に価値があるわけではなく、みんながそう信じているから価値があります。
お金ってそういうものですよね。
みんなが信じているから、価値があるわけです。
ジンバブエドルは誰も信じていないから価値がない
よくミームとして扱われるジンバブエドルは、かつてハイパーインフレを起こして100兆ジンバブエドル札が発行されていました。
アフリカでは人民元が使えたり、東南アジアではドルが使える国もあります。
自国民や世界で信用されていない経済、信用されていない通貨は、誰にも使われなくなり、最終的に無価値のただの紙になります。
価値とは相対的なもので、そもそもそれ自体には意味がありません。
NFTも同様に「価値がある=意味がある」と捉えるなら、10,000体のjpeg画像には意味はないでしょう。
Twitterのアイコンとして使うのなら、それはただのアイコンです。
NFTは意味ないというのは早計である理由
NFTをプロフィール画像に活用したり、投機目的での購入は確かに盛り上がっています。
しかし、使い道はプロフィール写真だけではありません。
むしろほんの一部であるといえるでしょう。
NFTを活用することでとても便利になる業界は数多く存在します。
- クリエイターのマネタイズとして
- リアルな不動産のNFT化
- 医療情報のNFT化
- 大学やアカデミックでのNFT利用
順番に紹介していきます。
クリエイターのマネタイズとして
わずもがな、今もっともわかりやすい利用方法がクリエイターの収益源としてのNFT活用です。
ダイレクトに課金することのできなかったクリエイターは、フォロワーが1万人いたとしても無料でプロフ画を作ってくれと言われるケースが多くありました。
しかし、NFTによりその相対的な価値評価が見えるようになったことで、クリエイターの収益が大きく改善されました。
写真家のNFT活用については【事例あり】NFTで写真を販売する方法5つのステップ【作り方から出品方法まで】にて解説しています。
ミュージシャンのNFT活用も進んでおり、事例と共に【NFT&音楽】事例5選と売り方作り方まで徹底解説にて解説しています。
リアルな不動産のNFT化
実はNFTと親和性の高い不動産業界。
土地の所有権をデジタル化し、ブロックチェーンによりリアルタイムで土地の価格を記録することができます。
NFTをOpenseaで購入するように、スマホで数回タップするだけで不動産を購入し、不動産NFTをステーキングして分散型賃貸サービスに運用してもらう未来を想像してみてください。
とてもワクワクしますよね。
法律の規制もありまだ実現はできませんが、既存の不動産業界を破壊し、さらに流動性のある市場に変革する可能性は大いにあります。
医療情報のNFT化
ブロックチェーンは複数のノードによって常に検証されています。
そのため、データを損なうことなく保存し、必要な時に検証することが可能です。
病院への通院履歴や病気の履歴、個人情報をNFT化することで健康保険会社や医療提供者により適切な医療行為をすることができるようになります。
お薬手帳であったり、パスポートなどもNFT化することができますよね。
病院の運営の効率化だけでなく、全世界で適切な医療行為を説明不要で受けられるようになると考えるとすごいですよね。
https://www.forbes.com/sites/chrissamcfarlane/2021/06/02/will-nfts-save-healthcare/?sh=2e9de1eaeae3
大学やアカデミックでのNFT利用
学位や出席証明、卒業証明など紙で発行される大学のデータをNFT化することで、常に検証でき正しいデータを保存できるようになります。
小池都知事がエジプトの大学をでているか問題は結構話題になりましたが、NFT化されていれば正確なデータがすぐに検証できますよね。
NFTには全てのデータを扱う分野で利用可能であり、新たなビジネスの可能性を大いに秘めていることが分かるかと思います。
NFTは意味ないのか問題はそのうち答えが分かるはず
医療分野のNFT利用については、Googleと契約したHCA Healthcare Incが研究しています。
プロフィール画像の投機の盛り上がりが現状市場を支配していますが、それはすぐに終わりを迎え、本質的なNFT利用に注目が移っていくでしょう。
既存の業界を破壊し、新たなビジネスが生まれてくる時代にどのように身を振れば良いのか、情報を追いつつ見定めていきましょう。