世界の大企業が次々とメタバースに参入し、ビジネスを展開しています。
そんな中、日本企業もメタバースに舵を切る企業が増えてきています。
Web3やNFTやメタバースなど聞き慣れない言葉が注目されるようになってきていますが、今どのような方向にビジネスを展開すれば良いのか。
今回は、メタバースに参入企業の事例をみながら、どのようなビジネスが相乗効果を見込めるのか考察していきます。
目次
メタバース参入企業とビジネス事例11選【日本企業も】
まずは、実際にメタバース参入企業にどのようなものがあるのかみていきましょう。
- VRデバイスの開発
- メタバース構築用ソフトウェア
- メタバース用のコンテンツ
- NFT
- メタバースファッション
上記が参入企業の主な業態です。
そもそもメタバースではどのようなことができるのか、ビジネス事例など興味がある方は下記の記事にて取り上げています。
→メタバースとは何かできることをわかりやすく解説【仮想通貨・Web3が重要】
Facebook改めMeta
Meta社ではVRデバイスのOculusを買収し、VRデバイスの開発を主にしています。
また、InstagramやFacebookなど全世界に数億人のユーザーを抱えていることから、Metaによるメタバース空間がリリースされることも予想できます。
2021年の四半期で100億ドルの研究開発費を投じていることもあり、今後の動きに注目したいです。
ディズニー
ディズニーは2021年12月にテーマパークの一部をメタバース領域に展開する「仮想シミュレーター」の特許を申請しています。
AR拡張デバイスを使用しなくても、3Dの仮想体験を実現するとされ、期待が高まります。
「独自のメタバース」を構築するという事業計画も進行中で、消費者がどこにいてもディズニーの世界観を体験できるようになる世界を計画しています。
そもそもメタバースはコンテンツが命で、映画をみた後にメタバースにいって追体験する、といった導入の仕方が自然です。
世界的に人気なコンテンツを保有しているディズニーはまさにメタバース領域の本命です。
ナイキ
ナイキはファッションNFT開発企業であるRTFKTを買収しました。
RTFKTは、日本のアーティスト村上隆氏と共にNFTアバターを販売し成功を納めています。
また、デジタルファッションだけでなくデジタルスニーカーも制作しており、ナイキとの相性は抜群です。
ナイキはメタバース領域で新たに7つの商標を申請しており、今後の計画も気になります。
事業領域としてのメタバースは原価がかからないビジネスであることから、ビジネスの利益率改善にも大きく貢献することが予想されます。
Gucci
GucciはNFTの販売、メタバースでの展示会を実施しています。
展示会は上記の動画の通りです。
仮想展示場「Gucci Garden」をリリースしています。
ユーザーがGucci Gardenに入るとマネキンになり、訪問者それぞれ別の順番に部屋を回っていき、最終的にユニークな作品になる、といったものです。
ARやVRをはじめ、アパレルブランドとの相性はよくメタバースにて試着体験をすることができます。
コカコーラ タフィ
コカコーラはタフィと提携し、コレクティブルNFTを販売しています。
Openseaにてオークションを実施し、購入者にはコカコーラデザインのウェアラブルNFTを手に入れることができました。
ウェアラブルということで、メタバースのDecentralandで実際に着ることができるファッションNFTです。
購入時点で利益が出て、メタバース内でユーザーに着てもらうことでコカコーラを想起させるブランド広告の役割も持たせることが可能です。
ファッション関連NFTとメタバースは粗利率が高く、ブランド広告にもなる一石二鳥の使い方ができますね。
バレンシアガ
バレンシアガは、Gucciとは少し違った方向でEpic Gamesと提携し、人気ゲームのフォートナイト内で使えるスキンを提供しました。
ゲーム内にはバレンシアガのポップアップストアが公開され、実際の衣料品や化粧品を購入できるメタバース支店がオープンしました。
メタバースはECとの連携がしやすく、ゲーム内通貨や仮想通貨での決済に対応しています。
このコラボは上記動画のような、3DCGを用いた現実世界の広告でも大きな話題になりました。
H&M Ceek
Shopping in the #metaverse with $CEEK
Concept VR store presented to @hm by #CEEK Creating mainstream use cases for $CEEK + scaling #Virtualreality beyond games. #VRAPP #CEEKVR #NFT #VR #CEEKVenues
👉🏽 More at https://t.co/oAvCTgp2Bk pic.twitter.com/OI4BFkyUAw— Ceek (@CEEK) December 7, 2021
H&MはVRメタバースプラットフォームのCEEKと提携して、店舗をメタバース内にオープンしました。
店舗がかなり忠実に再現されており、$CEEKで購入することができます。
店舗がメタバースに参入する際のわかりやすい事例で、上記動画も参考になります。
どのような体験をユーザーにしてもらいたいかという視点はメタバースプラットフォームを選ぶ重要な基準であり、よりリアル感を重要視するのであればVRは必要です。
没入感のある体験を提供することで、家にいながら試着やサービスの体験を実現することができます。
パナソニック
日本企業も次々にメタバースに参入しています。
中でもパナソニックはMeta社と競合するVRデバイスを発表しました。
「MeganeX」は250gの超軽量化、Steam VRに対応したOSで開発されており、メタバースに長時間入り浸るユーザー向けに小型化を実現しています。
また、温度を体感できる着るデバイスも開発しており、メタバース体験が向上するようなきめ細かい機能が特徴的です。
ソニー
ソニーはもともとPSVRを販売していますが、次世代機の開発とサッカースタジアムの仮想化を計画しています。
ソニーには膨大なプレイステーション系ゲームコンテンツがあり、VRデバイスを展開した時点で優位性がありますよね。
サッカースタジアムに関しても、ARやメタバースでリアルタイムでサッカーの試合が見れるようになるとJリーグの体験も変わるし、他のスポーツへの転用も期待できます。
キヤノン
キヤノンは、メタバース支援システムを開発で参入しています。
現実世界の自分を、様々な角度から撮影してそのままメタバースに転写するための撮影スタジオ。
1つのカメラを使って自分自身やプレゼン資料など、複数の映像に切り出して使うことがきるミーティングソフトウェア。
対面で交流をしているかのような体験を実現するVRプラットフォーム「Kokomo」など、多岐に渡ります。
既存の映像やカメラ技術をメタバースに転用して開発を進めています。
サイバーエージェント
サイバーエージェントでは、「メタバース × EC × 実店舗」の3つの商圏を複合データでつないでビジネスを促進させるための支援や、マーケティングサービスを提供しています。
NFTの活用も予定されており、現実の購入体験とメタバースが融合した未来に期待できそうです。
2023年までにUnityやUnreal Engine、3DCGアーティストで100名以上を雇用予定で、コインチェック事件当時に仮想通貨取引所の開設を予定していたCAが今回どのようにビジネスを展開していくのか注目です。
メタバース参入を決めた日本企業に期待したい理由
実は、メタバースは日本にとってビジネスチャンスです。
Web2の時代にGAFAMに遅れをとった日本。
チャレンジ精神の欠如であったりサラリーマン社長によるサラリーマン大企業の動きの遅さも要因としてありますが、著作権の法規制は特に大きな影響であったと考えられます。
実は2008年まで、Googleのような検索エンジンを開発することは日本では著作権の観点から違法でした。
今後の法整備は必然のこと、日本企業のメタバース参入に期待したい理由は下記の通り。
- 日本が保有するIPが豊富
- 一時は日本が仮想通貨保有トップだった
- 法整備が進んでいきそう
順番にみていきます。
日本が保有するIPが豊富
日本はアニメや漫画文化の発祥であり、世界的に誰もが知っている作品が豊富ですよね。
メタバースにはコンテンツが必要で、現状その多くを日本が保有しています。
これは大きな優位性であり、忍者になってナルトの世界を飛び回れたり、千と千尋の神隠しの世界を歩ける、といったメタバースが作られると一気に世界で使われるようになりますよね。
小学館や集英社、ジブリなど日本企業の今後の動きに注目です。
一時は日本が仮想通貨保有トップだった
コインチェックの事件が起きる前まで、世界的にみても日本はトップの仮想通貨保有国でした。
今はだいぶ遅れてしまっていますが、国民性的に石橋が崩れないことがわかれば参入してくる人や企業が増えそうな予感です。
結構お金が好きな国民性なので、また当時のような流れが来ることもあるのではと期待したいところです。
特にメタバースはWeb3レイヤーに構築されるものが本命なので、早急に法整備が進むことが大切です。
法整備が進んでいきそう
NFTやメタバース、Web3はかなり理解しにくい分野ではありますが、伊藤穰一さんを政府会議に呼ぶなど勉強会が開かれています。
日本がメタバース開発において世界から置いて行かれている大きな理由である法整備。
そもそも場所に縛られないメタバースで、税金がかかりすぎる日本でビジネス展開をする理由が現状ありません。
デジタル庁や、NFT特別担当に平将明議員が就任するなど政府内でも対応を進めています。
今後Web3やクリプト関連特区とまではいかないにしても、規制が緩和、税金が低くなるよう法整備が進むと一気に日本での参入企業が増え爆発的に開発が進んでいくのでは、と考えられています。
ちなみに、ニューヨーク市長の給与は仮想通貨払いでされており、平議員にもどっぷりブロックチェーンに浸って欲しいと思っています。
メタバースは現実・ECに次ぐ商圏として日本企業の参入に注目
コロナによりテレワークなどデジタル化が強制的に進み、数々のブロックチェーンアプリの登場によりDeFIやNFT、メタバースに注目が集まりました。
リアル世界と同じシミュレーションができる現代の技術によるメタバースはセカンドライフとは違う実用化が現実的になるのではと思っています。
ビジネスチャンスの見極めることができれば、メタバースにおいて稼ぐチャンスは無限です。
メタバースの稼ぎ方やセカンドライフとの違いなど下記でも紹介しているので合わせてご覧ください。
→早すぎたメタバース「セカンドライフ」とは?過去のブームとの違いは何か